耕作放棄地をなくすことで、治水効果の高い質の良い畑や、その周りの森林が維持できます。
森林が守られることによって山の保水力も守られ、雨水はゆっくりと川に流れ出します。
山が荒れることで川や海が汚染されると、魚介類にも影響を及ぼします。
海が川を通じて森とつながることで活性するように考えなくてはいけません。
日本茶の源流である山間地のお茶を守る事によって、少しでも自然と共生できる環境を作りたいとの思いから、
自然を守るお茶を作りました。
茶師佐々木が足繁く通う産地の一つに、静岡県の天竜があります。一般的な茶の産地よりもはるかに標高の高い地域で、昔ながらのお茶づくりをしてきた名産地です。しかし近年、廃業する生産者さんが増え耕作放棄茶園が広がるようになりました。
「森を守るお茶」の産地は天竜の中でも標高600mエリアの急斜面に位置する茶畑です。その場所は、お茶の生産場所としてはもちろん、山で暮らす動物たちとの境界線としても機能してきました。それは、人間と動物とが安全に共存するための見えないルールになっていたのです。境界線がなくなったことで、イノシシなどの動物たちは人間が生活する山里に下りてきて畑を荒らすことも。茶園の消失により自然のバランスが崩れてしまったのです。そこで、地元の若い生産者さんとともに放棄された茶園を復活させる取り組みを始めました。天竜エリアで栽培される在来種のお茶の評価は、それほど高いものではありませんでした。しかし、茶師佐々木にはこれまでの経験から「在来種ならではのおいしいお茶ができる」という確信があり、埋もれてしまった財産に再び光りを当てたのです。5年という歳月をかけて、放棄された畑の3分の1ほどが茶畑として生き還りました。
自社茶園による取り組み
「水を守るお茶」は神奈川の水源となる森林エリアに位置する「寄(やどりき・やどろぎ)」という地域の茶来未自社茶園で、中津川の川霧に抱かれて育った茶葉のみを使用しています。神奈川県の茶産地の中では特に標高が高く、日本の原風景を色濃く残す風光明媚な地域ですが、現状は天竜と同じく畑の維持管理ができなくなってきています。これまで木材生産や茶業などの林業活動・茶業を通じて、守り、育てられてきた豊かな水を育む森林や清らかな水源を、保全・再生するために茶園をしっかりと維持管理する必要があります。
茶来未では神奈川県を代表する歴史ある貴重な産地を守るために、自社で茶園を保有し、茶葉の生産から加工・販売までを一貫して私たち自身で行う取り組みを始めました。
産地を守ることは、生産者さんを守ることにも繋がります。茶畑の再生は、自然のあるべき姿を取り戻すきっかけにもなっているのです。
-
管理茶園 天竜煎茶
森を守るお茶
標高600m、静岡県天竜区耕作放棄茶園を5年かけて再生させ、作られたお茶です。
「在来種」と呼ばれる、実生(種から育てた)の茶の木から新芽を摘み取り、「萎凋(いちょう)」という工程を経て「荒茶」というお茶の原料の状態にします。
その原料を茶師佐々木考案の12微細分類製茶法により香りを最大限に引き出し、大自然の英気と香りをまとった、すっきりとした後味に花のような香りの余韻を残すお茶です。森を守るお茶/100g
1,650円
-
自社茶園 神奈川煎茶
水を守るお茶
神奈川の水源地域にある茶来未自社茶園の茶葉のみを使用しております。
精魂込めて育てた茶葉を私たち自身で収穫し、蒸して揉んだ茶葉を自社工場で
「仕上げ」「火入れ」という製茶作業を行い、生産から製造までを一貫して行うことで
細部まで品質にこだわりを持って仕上げました。中津川の川霧に抱かれて育った
茶葉は、旨みと渋み香りのバランスのとれたしっかりとした味わいのお茶です。水を守るお茶/100g
1,650円
このお茶の売り上げの一部は森林保護や緑地保全に役立てられます。