茶師 佐々木の想い。
まだまだお茶は美味しくなる。
独自基準を設け、
業界でも類がない製茶方法です。
部位による味わいを最大限に生かすために
細分化し、一窯ごとに五感を
駆使し火入れをします。
世界を制した職人技は、
丁寧な仕事から生まれます。
お茶の葉を表現するとき「一芯二葉」、「一芯三葉」という言葉をよく耳にします。けれど、実際のお茶の葉は字の如く、芯と葉だけでできているわけではありません。「芽」、「尺」、「身」など、もっともっと細かい部位があります。しかもその部位により、味や水色は全く異なります。例えば、養分をたっぷりと蓄えていて味が濃いところ、味の主張が少ないところ、苦味があるところという具合です。そんな部位による味わいの違いを最大限生かすために考案したのが「十二微細分類製茶法」です。
カレーライスを作る時のことを思い出してみてください。じゃがいも、玉ねぎ、人参、豚肉などの具を、鍋に同時に入れることはしませんよね? 火が通りにくいものから順番に入れていくはずです。そうしないと、じゃがいもは大丈夫だけれど人参は硬い、人参は大丈夫だけれど玉ねぎは溶けて形が見えない、ということになってしまうからです。つまり、それぞれの具の個性を引き出すには、それぞれの具の特徴をよく知り、それに合わせた最適な調理をすることが重要ということです。そんな発想が私のお茶づくりの根底にあります。
お茶の葉を特徴のある12の部位に分け、その味わいを生かすように一窯ごとに火入れをします。これまでの製茶業界では6つの部位に分けるのが一般的、その2倍に分けるのですから、十二微細分類製茶法が創り出すお茶の世界の広がりを感じていただけると思います。